2012年6月11日月曜日

イワナの季節になりました

放流イワナ

事務局長●水谷 博

本日16時~19時の葛温泉における釣果は以下のとおりでした。
 八寸の野生ヤマメ x 1 放流イワナ(15~18㎝) x 6
 野生イワナ(20~25㎝) x 3  天然イワナ(25㎝) x 1

時合いのせいかもしれませんが、赤岩から下ではまったく反応がありませんでした。前回あれ程トロ瀬の流芯から出てくれたヤマメがまったく出ません。虫はうっとうしいぐらい飛んでいるのですがライズもありません。かじか橋の下流からようやく放流イワナが出るようになりました。流芯ではなく瀬尻や大岩周りからです。橋の下はまだ釣り堀状態でライズも盛んです。ほとんどが放流イワナですが、きれいな野生のイワナが1匹だけ混じって出てきました。しかし、かなりスレてしまっていますので、毛鉤を落とす位置とタイミングが合わないとなかなか喰ってくれません。
心配していたことが起こり始めました。砂の堆積です。七倉ダム直下の滝ノ沢からと思われる砂がかじか橋のすぐ上まで堆積し出しました。産卵期までには梅雨や大雨もあるでしょうからきれいに流してくれることを祈るばかりです。
でも、かなり魚信はあります。ポイントがはっきりしているので釣りやすいとも言えます。まず、砂のない浅い開きから野生イワナと放流イワナと2本連続できてくれました。その上の大石の裏からは八寸ヤマメも出ました。さらに釣り上がって大岩の下に振り込むと尺物が出てくれました。しかし喰ってくれません。毛鉤を見に来ただけでまた帰って行ってしまいました。これは次の楽しみにしておきましょう。橋と堰堤の中間付近の大岩と大岩の間からは、久々に天然イワナが掛かりました。これは写真に収めなければと思ったのですが、ポーズを取らせている間にバレてしまいました。
堰堤の前ではおもしろいことがありました。これまで、底が砂地のところではサカナ自身の位置がわからなくなるので、絶対に喰わないと思っていたのですが、そんなこともないようです。砂地の浅いトロ瀬の流芯で1匹だけゆらゆらと泳いでいたので、早速真後ろから振り込みましたが喰いません。前後左右に毛鉤を落としますが反応がありません。やっぱり釣れないかと思いつつ、振り込む場所を真横に変え、左前方45度の角度で50㎝ほど離れたところに振り込むと、何を思ったかいきなり毛鉤に飛びつきました。もちろん、そこの底も砂地です。まだ、イワナの心が読めないテンカラおじさんでした。
なお、イワナの分類は中村水産学博士の「イワナをもっと増やしたい!!」により次のとおりです。

天然魚:それぞれの川に元々生息していた魚
    ※高瀬川のイワナはニッコウイワナでやや黄緑色の魚体で背中に白斑があり、
     側線の下に橙色の斑点があります。遺伝的多様性の保全の観点から、
     天然魚は是非リリースしてください。
野生魚:放流された養殖魚と交配して生まれ、その川で自然繁殖して定着した魚
    ※葛温泉の野生魚は様々ですが、今回釣り上げたのは灰色っぽい魚体に
     パーマークがあり、橙の斑点もありました。
     もちろん、ヒレピンでその端は赤っぽくなっています。
     葛温泉には元々ヤマメはいなかったので、
     ヒレピンヤマメはすべて野生魚ということになります。
放流魚:養殖場で養殖されてから川に放流された魚
    ※葛温泉の放流イワナは濃い紫色から黒っぽい魚体で白斑があります。
     尾ビレの先が黒くて丸まっていますので、すぐにわかります。
     今年は少ないのですが、まれに放流ヤマメも釣れることがあります。

大町ダム直下の高瀬川本流と乳川の上流で尺イワナが釣れたという情報もあります。青葉ヤマメの季節は過ぎてイワナの盛期になりました。これからはシトシト雨の中が好機になるでしょう。ただ、七倉ダムの放水には十分気をつけてください。

野生の八寸ヤマメ

砂に埋まった瀬