2016年6月15日水曜日

黒部川下廊下は大渇水


事務局長 ● 水谷 博

6月26日から黒部ダムの観光放水が始まるので、その前に何とか黒部ダムの下へ行きたいと思っていたところ、松川の新入会員Y氏が山屋さんということでご無理をお願いしました。彼はエサ釣りの経験はあるもののテンカラは全くの初心者ですので、大舞台での実地指導ということになりました。
内蔵助沢の手前までダムから1時間半ほど下り、まだ雪渓の残る渓に入りました。まずは、Y氏のキャスティング講習です。フライも少し経験があるようで、天平テンカラとストレイトラインですぐにコツをつかんだようでしたので、即実釣です。
ただ、始発のバス組が我々を含めて7名、ダム下に前泊した2名と計9名が雄大な黒部渓谷の一角に集合してしまったうえに、大渇水で先が思いやられる釣りになりそうでした。
しかし、最初のポイントであったエサ釣りの先行者が通った後の小さな流れ込みに振り込むと、いきなりコツンと来てくれました。サイズは20センチほどでした。その上の小さな開きでもアタリがありました。これは行けそうだと指導しながら釣り上がります。
ところが、その上流は渇水でほとんどポイントがありません。延々とキャスティング練習になりました。この間に釣り下がってきたと思われる前泊組が退渓したようでチャンスが生まれました。二筋の流れが合流するポイントを示してY氏が振り込むと、見事20センチサイズのイワナが掛かりました。私がテンカラを始めたときは1年間1匹も釣れませんでしたが、彼は1時間とちょっとで初物をゲットすることができました。お見事!!
さらに釣り上がって昼食後、1時過ぎに再開です。ここからは大岩ゴロゴロ、深い淵と大きな開きやプールが続きます。ベストポイントです。小さいながらも魚影も確認できます。Y氏がそこにいると言うので振り込むと、バシャッと来てくれました。やはり20センチサイズです。Y氏もその上でやや大きいサイズを掛けられました。さらに少し上で流れが大岩にあたっているトロ瀬に振り込むと、ガクンと来てくれました。広いプールに引き出して引きを楽しみながら慎重に寄せようとすると、Y氏がカメラを構えたのでちっと意識しました。これがいけませんでした。38に竿をズームしなければと思った瞬間、イワナは反転して深みに消えました。その体高からして尺物に間違いはありません。痛恨のバラシでした。
100mほど続いた深みのあるポイントは、鹿島川のようなチャラ瀬ばかりになりました。時折、チビが瀬を走りますが毛バリには来てくれません。3時頃に一部流されているダム下の橋に戻りました。その下の深みは撃沈毛バリで攻めて、2本追加することができました。初めはコツンというアタリで、2本目はバシャッと出てくれました。ここで納竿です。
Y氏に釣果を確認すると5匹ということでした。初めてということで大満足とのことでした。私も同数でしたが、何ともあの尺物が悔しくてたまりません。それにしても、体力の低下を痛感させられた釣行でした。2年前は何ともなかったのですが、この橋からダムサイトまでの急登でバテました。明日からトレーにしなければ・・・。