2012年7月22日日曜日

続 鹿島川、尺物3発


3本目の尺イワナ

事務局長・水谷 博

リベンジの入渓はアフター5、梅雨明け宣言は出たものの、今にも泣き出しそうな雲行きでした。この間の雨で水量はかなり増していましたが、濁りはありません。早速、尺イワナポイントに振り込みます。ガンガン瀬の向こうは広い開きになっています。そこがねらい目だとは思いましたが、その手前にわずかな淀みがあったので、まずは瀬を分けて手前からです。2投目でした。いきなりガクッと手元にアタリが来ました。満月になった竿を慎重に立てて浅瀬にランディングさせることができました。まるまると太った尺イワナです。体色から放流されて二冬を越したものと推察されました。
ねらい目の開きではまったく反応がなくブラウンポイントへ急ぎます。しかし、そこは流れが変わってしまっており、トロ瀬はチャラ瀬になっていました。もちろん、何の音沙汰もなくここは諦めるしかありません。さらに釣り上がると、ガンガン瀬の向こう岸に大岩二つがあり、その間と前後がポイントになっています。まずは下から。数投振り込んでもアタリがなく、瀬に毛鉤が飲み込まれようとしたのでピックアップした時でした。バシッとアタリがありましたが、掛かってくれませんでした。気を取り直して大岩の間に振り込むと、今度は明らかにブラウンと思われる茶色い魚体が水面下で反転しました。これも合わせが早過ぎて空振りです。う~むっ。天を仰いで一呼吸、しかしもう何度振り込んでも出てくれません。最後の望みは大岩の上にある淀みです。慎重に振り込むと、今度は一発でガクッと毛鉤にのってくれました。バレないようガンガン瀬の上流へ引き上げます。大きくしなった竿から伝わる振動を楽しみながら瀬を横切って浅瀬にランディングさせられました。これも野生化した尺イワナで、1本目よりは一回り大きなものでした。
このポイントの上に、二つの流れが交わっている大きな開きがありました。水深や底石からここら辺りではベストポイントと思われました。しかし、ここではまったく反応がなく、その上流は全面白泡の流れが続いているようでしたので、ニジマスポイントへ向かうことにしました。そこは先日よりは水量もあり、流れが複雑に入り組んでいました。下流から草をよけながら振り込んでいきますが、アタリはありません。今日はお休みかと思いつつ、ポイントの最上流へ振り込んだ時でした。バッシャっと大きな水泡を立てて出てくれました。合わせるとガクッと手元に重みが伝わります。でも、40オーバーのニジマスにしては軽過ぎます。細い流れですからすぐにランディングさせられましたが、背中の色と体高からニジマスと思ったのは見間違えで、それは丸々と太ったイワナでした。しかも、測線の下にある橙色の斑点が美しい鹿島の天然物です。サイズは33㎝ありました。数はでません出ませんでしたが、1時間半で尺物3本、久々に満足できた釣行となりました。

余談:流れを渡りきって、岸にある直径1mほどの岩に飛び乗った時でした。グラッ、何とこんな大きな浮き石もあるんですね。体勢を立て直すこともできず、河原にダイビングさせられました。空中で竿を放し、両手を着いて着地できたのですが、ちょっと鼻が高かったようです。起き上がろうとするとポタポタと鼻血がたれてきます。痛みはなかったのですが、鼻を河原の石に打ち付けたようです。流水で鼻を冷やして何とか止血することができました。その後、3本目の尺イワナを掛けたのですから・・・。
情報:梅雨が明け、大町ダム下流の高瀬川本流以外は、乳川・篭川・鹿島川・高瀬川葛温泉など水況は非常によい状況です。朝夕の間詰め時はどこも十分楽しめるようになりました。ただ、これからはアブと熊、それに浮き石には十分ご注意ください。

1本目
2本目