2021年3月11日木曜日

ワカン釣行は三年目の正直


事務局長●水谷 博

本日は東日本大震災から10年目の節目でした。被災された皆様に改めてお悔やみとお見舞いを申し上げます。そんな日で県境を超えた移動の自粛がまだ要請されている中、不謹慎ながら今日しかないということで、ひとりで誰にも会わずに誰もいない鹿島川へ釣行しました。

実は、ここ数年、テンカラ初日は雪深い鹿島川で和カンジキを付けてと決めていたのです。この2年はまったくウンスンで話になりませんでしたが、今回はようやくイワナに出会えました。

入渓してしばらくは何の反応もありませんでしたが、広い開きへ振り込もうとしたとき、かなりの良型が大きな口を開けて水面上で捕食するのを見ました。ちょっと時間をおいて慎重にそのポイントの上流へ毛鉤を落としました。すぐに手元に反応が来たのですが、いるのがわかっていただけに合わせが早過ぎたのか、ハリには乗ってくれませんでした。

でもここしかないと粘り、ライズポイントの2m下流の水中でアタリがありました。サイズは20cmほどで小さくなったのですが、きれいで天然に近い野生のイワナが上がってくれました。

半年ぶりのイワナとのご対面でワカン釣行では三年ぶりのことでした。その後、堰堤までに25cmと18cmサイズ各1匹を加えることができました。

それにしても、北アルプスの鹿島槍や五竜岳を望みながら、氷河のしずくを集めた清冽な流れの中へ振り込むスケール感や空気感は、何事にも替えがたい至福の時間を与えてくれました。